私がエリトン侯爵家の屋敷に戻ってから程なくして、イルドラ殿下が訪ねて来た。
 彼には、シャルメラ嬢に関することを調べてもらっている。エリトン侯爵家の方でネメルナ嬢の方面について色々と調べているのだが、それよりも早く何かがわかったようだ。

「リルティア嬢、どうやら兄上とシャルメラ嬢の関係はまだ続いているようだ」
「……そうなのですか?」
「ああ、確証が掴めたという訳ではないが……シャルメラ嬢の行動などから考えると、その可能性が高そうだ」

 イルドラ殿下は、呆れたような顔をしていた。
 それはそうだろう。アヴェルド殿下は、私と婚約しながらシャルメラ嬢と関係を持っている所か、ネメルナ嬢とも関係を持っている。本当にどうしようもない人であるとしか言いようがない。