その少し気まずそうな笑みに、私も思わず笑ってしまう。
 今はそんな状況だ。もう笑うことしかできないくらいに、私達は打撃を受けている。

「まあしかし、父上は聡明な方だ。きっと悪いようにはしないだろう。早ければ明日にでも、良い方針を思いつくはずだ」
「ええ、お父様のことは信頼していますから、大丈夫だとは思っています。しかし、どうしても不安になってしまうものでして……」
「大丈夫だ。いざとなったら、この僕がお前の面倒くらい見てやるさ。お前のことはラフェシアも気に入っているし、特に問題はないだろう」
「お兄様達の邪魔をしたいとは思いませんよ」

 お兄様の少し冗談めかした言葉に、私の心は安らいだ。