「ああ、そうだな。少し調べてみる必要があるのかもしれない」
「……協力していただけますか?」
「もちろんだとも。対価はそうだな……場合によっては、色々とありそうだ」

 イルドラ殿下は、私に対して苦笑いを浮かべていた。
 彼の表情からは、あまり良い感情というものは伝わってこない。今回の件に対して、気が進んでいるという訳でもないようだ。
 しかしそれでも、彼は調べようとしてくれている。それは恐らく善意もあるだろうが、王家としての誇りなども関係していそうだ。