「あ、ええ、そうですね」
「馬車の手配などは、既にこちらでしておいた。いつでも出発することはできる。もっとも、今日はやめておいた方が良いだろう。今から出ると、すぐに日が暮れてしまう」
「わかりました。明朝に出発しようと思います」

 今回の件は、お父様には事後報告になってしまう。それ自体は、申し訳ないと思っている。
 とはいえ、反対されることはない。次期王妃となることに反対する貴族など、まずいないだろう。例え一度それで失敗していたとしても、断る理由はない。

「今日の所は、もう休むといい。部屋も用意してある」
「ありがとうございます」

 私は、国王様の言葉にゆっくりと頷いた。
 正直、今日は結構疲れている。色々とあったし、早く休みたい所だ。お言葉に甘えさせてもらうとしよう。