「イルドラ殿下、あなたは心情的なことを気にしていましたが、その点に関してはまったく問題がありませんよ」
「……そうなのか?」
「ええ、だって……」

 結論が出たため、私は自然と笑みを浮かべていた。
 イルドラ殿下でいいのではない。私は、イルドラ殿下がいいと思っている。それはきちんと、伝えておくべきことだろう。
 そう思って言葉を発した訳だが、直後に私は気付いた。これはなんというか、愛の告白みたいであると。

「えっと……」
「リルティア嬢?」

 言い方を考えなければならないと思った私は、言葉を詰まらせることになった。
 別に私は、彼に好意を抱いている訳ではないはずだ。いや、どうなのだろうか。それがなんというか、わからなくなってきた。