「……そう言われると、確かに相応しいとは言えないような気もしてしまうわね」

 本人のやる気もないということなので、オルテッド殿下のことは次期国王候補から外しておいた方がいいのかもしれない。
 仮に全員が辞退した時などは、考え直す必要はあるだろう。ただ、そうならなかった場合は、考える必要がなさそうだ。
 それは私としては、結構助かる。この選ぶ立場というものは、中々に苦しいものだからだ。

「リルティア嬢も大変だよなぁ。父上も無茶を言うよ」
「無茶……まあ、正直私もそう思っているのだけれど」
「投げやりだよなぁ。でもまあ、確かに父上は失敗したしなぁ。アヴェルド兄上か……」

 オルテッド殿下は、苦笑いを浮かべていた。
 それに私も、苦笑いで返す。本当に、どうしてこんなことになってしまったのだろうか。