私は、玉座の間に来ていた。
 そこには、王族の面々が並んでいる。イルドラ殿下、ウォーラン殿下、エルヴァン殿下、それから第五王子のオルテッド殿下、王子が揃い踏みだ。
 当然のことながら、玉座には国王様がいる。彼は私のことを、その鋭い目で見つめてきた。

「リルティア嬢、良き来てくれた。私は君に伝えたいことがある」
「伝えたいこと、ですか?」
「今回の件は、我らが王族の失態としか言いようがない。まずは、それについて謝罪するとしよう。君及びエリトン侯爵家には、迷惑をかけた」
「いえ、お気になさらないでください」

 国王様の謝罪も、私にとっては求めていないことであった。
 王妃様もそうだが、お二人とも随分とも真面目である。そういった所は、イルドラ殿下達と似ているといえるかもしれない。