「既に鑑定は終わっている。間違いなく、お前の筆跡であるそうだ。もっとも、お前はそれを認めるつもりなどないのだろうが」

 国王様は、忌々しそうに吐き捨てていた。
 それはオーバル子爵の態度が、みっともないものであるからだろう。
 断固として罪を認めない彼からは、貴族としての最低限のプライドすら感じられない。もう少し潔さというものがあれば、国王様の態度も違ったことだろう。

「迂闊なものだな。もっともお前にはこの程度の暗殺者を雇うのが限界だったということか」
「わ、私は……」
「これが確固たる証拠であることは言うまでもないことではあるが、状況的な証拠についても話さなければならないか」

 そこで国王様は、ゆっくりとため息をついた。