しかし国王様は、すぐに真剣な顔に戻った。既に決心は、ついているということだろう。

「オーバル子爵、お前はモルダン男爵、及びその娘であるシャルメラ嬢、さらにはラウヴァット男爵を暗殺したな?」
「な、何を仰っているのやら……」
「とぼけても無駄だ。こちらは既に証拠を握っている」

 国王様の言葉に、オーバル子爵はまだとぼけようとしていた。
 それは彼に残された道が、それしかないからだろう。
 ただ、それは無駄な努力である。この状況で、国王様が許してくれるはずもないのだから。

「証拠ですって?」
「お前が雇った暗殺者は、なんとも程度が低い者だったようだな。お前に頼まれたことを、全て話してくれたそうだぞ?」
「そ、そんなものは虚言でしかありません。私からしてみれば、身に覚えがないことです」