国王様は、オーバル子爵に対して最後の確認をしているようだった。
 といっても、今回の謀殺はまず死刑だ。罪を自ら告白しても、特に結果は変わらないだろう。
 それをわかっているからこそ、オーバル子爵はしらを切ったのだ。国王様が、何も把握していないことに彼は賭けているのだろう。

「それなら、私からお前の罪について話すとしよう」
「ぬなっ……!」

 先程にも増して冷たい目をする国王様に、オーバル子爵は怯えていた。
 もちろん、彼ももうわかっているだろう。国王様が全てを知っているということを。
 オーバル子爵の顔は、どんどんと青くなっていっている。そしてこの場にいるもう一人の当事者も、困ったような顔をしている。

「父上、少しよろしいでしょうか?」
「アヴェルド、どうかしたのか?」