その後、私は鷹司家の使用人の女子寮から居を移し汐良さまが買ったというマンションに引っ越しをした。
高校卒業した今も、仲良く暮らしている。
「菜皆ちゃん、こっち来て」
「どうしたんですか? 汐良さん」
私は、あれから汐良さまのことを汐良さんと呼ぶようになっていて大分甘やかされている。
「菜皆ちゃん、そろそろ……しない?」
「え?」
汐良さんは、テーブルに封筒から紙を出した。それは記入済みの婚姻届だった。
そして、私に指輪を差し出す。
「……結婚しよう、菜皆ちゃん。番だからじゃなく、好きなんだ。どうしようもなく愛してるんだ。大切にする」
「汐良さん、ありがとうございます。私も好きです。……よろしくお願いします」
私はそう言えば「ありがとう」と彼は言い、優しく抱きしめて来た。だから、私も抱きしめ返してお互い離れるとキスをした。
fin.