「えっ、また!?」
次の日以降も、朝登校すると私の下駄箱にはお菓子が届けられていた。
マフィンに、パウンドケーキ。フロランタン……。
学校がある日は毎日必ず、私の下駄箱に届けられているお菓子。
毎回丁寧にラッピングされたそれらは、どれもプロ並みに美味しくて。
甘いものが大好きな私としては、ウェルカムな嬉しいプレゼントだったけど……。
誰が一体、何のためにこんなことをしているのだろう?
そんな疑問が、自分のなかで日に日に大きくなっていく。
お菓子の贈り主が、誰なのか知りたい。
そして、その人にお菓子のお礼が言いたい。
そう思った私は、いつもよりも朝早起きして。
学校の昇降口の隅に隠れて、お菓子を持ってくるであろう誰かのことを、ひっそりと待ってみることにした。
もし相手がやばい人だったらどうしよう……そんなことも一瞬、頭の中を過ぎったけれど。
怖さよりも、あんなに美味しいお菓子を作る人なのだから、きっと悪い人じゃないはずだという思いのほうが強かった。
うう……それにしても、今朝はちょっと涼しいかも。
ゴールデンウィークが過ぎたとはいえ、午前7時を過ぎたばかりの今は少し肌寒い。
私が昇降口の隅に身をひそめて、数十分後。
ようやく待ちに待った、誰かの足音が聞こえてきた。
柱から顔を出すと、私の下駄箱の前で足を止めた人の姿がちょうど目に入った。
えっ、うそ。あの人は……!