私が立ち上がった瞬間、クラスメイトたちの視線が、一気に自分に集中するのが分かった。


自分が注目の的になっていると思うと、緊張して足が震えてしまう。


みんなの前で発言するのは慣れていないから、すごく緊張するけど。


やっぱり、勇気を出してちゃんと言わなくちゃ。


あの日、緒方くんが私のことを守ってくれたように、私も彼のことを守りたい。


私の守るっていうのは、もしかしたら意味がちょっと違うかもしれないけど……。


ちゃんと話して、少しでも誤解を解いて。


緒方くんを助けたい。彼の名誉を守りたい。


私は、手のひらをギュッと握りしめる。


「先生、緒方くんが男の人を殴ったって話……あれ、緒方くんは悪くないんです。私が男の人たちに絡まれたところを、緒方くんが助けてくれて……元はと言えば、最初は向こうから殴ってきたんです」

「衛藤、その話は本当なのか?」

「はい」


私は真っ直ぐ、先生を見つめる。