何もせずにただ家にいる毎日。
夜仕事から帰ってきたら両親からの諦めの目。兄弟達からの罵倒。先生からの憐れみ。
 全てが嫌だった。苦しかった。苦痛だった。悲しかった。
 学校に行こうとすればするほど私は絶望したあの瞬間を思い出して動けなくなった。
 行かないとと思えば思うほどお腹を下した。
「サボり」そう言われるたびに心は悲鳴を上げた。
(違う、行かないんじゃない!行けないんだ!!)何度も何度もそう思った。
世間では学校に行ってるいる子が偉くて学校に行っていない子は悪い子と思われるのが普通だった。
 私の中では毎日毎日言葉の暴力や親友だった人からの無視。そんな日々を送るのは普通なんかではなかった。
そんなに普通が大事?正しいことをしているのにそれを罵倒され責められるのが普通なの?
 そんなのは押しつけじゃん!!正義なんかじゃない。どれだけ世間で偉いと言われようとも私は私にとっては一番の、悪だよ!
どうして、人をいたぶって追い詰めて苦しめてそんなに楽しそうなの?どうして人をそんなに簡単に裏切れるの?どうして毎日そんなに笑っていられる?
 私をこんなふうにしたのはあんたらじゃん。私の心も何もかもズタズタにしたのはあんたらじゃん。苦しくて悔しくて情けなくて、死にたいって何度も思った。
 でも、そんな勇気私にないから、臆病だから無理だった。楽になれるそんな期待よりもただ死が怖かった。
 辛くて死のうとしても今までの、楽しかった嬉しかった気持ちが溢れてきて出来なかった。
 そこから少し経ってから私は別室での登校を始めた。それでもまだたまに体調を崩してトイレに入ってしまうこともあった。
 リモートでの授業は音は聞き取りづらいしやたらと周りの声を拾って全く聞こえないことが毎日だった。でも、教室に行って縮こまってしまうよりは断然マシだった。
 そんな毎日が続いている時にお母さんからまた何か部活をやらない?と聞かれた。母としては何か打ち込めるものがあれば私が元に戻ると頑張れると思ったのだろう。
 元々運動するのは大好きで何かやりたいと思っていたので私は少し悩んだ後、保育園の時から一緒にいる二人が入っていたバレーに入ることに決めた。
 また、何か裏切られるのではないかと言う不安もあったがそれよりも二人を信じたいと言う思いが強かったからだ。
 時期が中体連前と言うこともあって、私は見学や仮入部と言う形でバレー部に入ることになった。
中体連が終われば正式なバレー部の部員になれると先生から言われた。
 それからは授業が終わり次第体育館に行って部活をするという日々が始まった。