ーーーー恋奈side

「この学校の人ですよ。今でも吹奏楽やってて、3年生の先輩です」


そんなことを渉くんに言われた。

それって私しかいない。

だって同じ学校だった子は吹部にいるけど、その子は高校から始めた子。

中学も吹部で今もやってて3年生なんて私しか当てはまらない。

渉くんが好きな人って私?そんなことある?


「先輩は好きな人とかいないんですか?」


ぐるぐるといろんなことを考えていたら渉くんからそんなことを言われた。


「好きな人って自信をもっては言えないけど気になる人なら」

「そうなんですか。どんな人ですか?」


そんな私の気になる人が気になるか?

やっぱ私のことが好きなのかな。

いやでも自惚れるのはよくない。


「後輩。その子も吹部で中学が一緒。一生懸命に練習してるのかっこいい」


渉くんって気づいて。そんな思いを込めて特大ヒントをだした。

吹部の後輩で同じ中学なのは1年生では渉くんだけだから。

今さらだけど私、渉くんのことがすごい好きなのかもしれない。

好きじゃないのにこんなに気持ちが上下することってないと思う。

気づいてなんて思わないし、私かもなんて自惚れたりしない。

渉くんのことが好きなら、思いっきり伝えたっていいよね。

気まずくならないように引退するときに言おう。


「引退するときに教えてあげるね。それまで待ってて」