※※※


午前7時40分。


同じ制服を着た学生が、同じ方へ向かって歩いている。


「ふぁ」とあくびをし、口元を抑えながら眠い目を半分くらい開けて通学路を進んだ。


学校って毎日なんでこんなに早いんだろ。


お昼から登校っていうのがあっても良いと思うんだよね……。


そんなことをぼんやりと考えていると、とんとんと肩を叩かれて弾みで振り返った。


ぷにっと指が頬に食い込んだ。


「あはは〜。梓、引っかかったね〜。おはよ〜」


満足そうに人差し指を立て、ふにゃふにゃと笑う美香。


昨日同じ時間までゲームをしていまはずなのに、そんなことをする元気があるのが不思議だった。


「おはよー。美香、元気だね〜」


挨拶をして私達は横並びで学校へ向かった。