「東と神田もおはよ」
揉め事が解決すると、私達にも挨拶をしてくれた。
「お、お……おはよう……」
私は、目すら合わせられなかった。
自分の顔に集まった熱をどこかへ逃すことへの意識が強かった。
「おはよ〜」
緊張してる私とは違い、美香は自然に挨拶できていた。
朝会うと、挨拶してくれるのにドキドキしてちゃんと応えられない。
変な子って思われてそう……。
私達に挨拶を終えた北岡くんが席に着くと、私は大きく肩を落とした。
「まぁまぁ。気にすることないよ〜。あたしなんて、話すらできないんだよ〜?」
と、私の肩を優しく叩いて慰めてくれる美香。
美香は、私が北岡くんのことを好きだと知っている。
美香の好きな人のことも知っている。
美香は、川本くんのことが好きなのだ。