優等生絵里香ちゃんは、私の勝手過ぎる言い分をフォローしてくれた。優しい。良い子。常に幸せになって欲しい。

 そうなの。絵里香ちゃんの言う通り、授業の進行がパッパッて進行して早いし、出来る子ばかり居る前提があるので、出来ない子のために先生は待ってはくれない。

 高校大学付属なんだけど、それが割と偏差値が高い高校大学なので、このくらいはすぐに理解出来るよね? と、言わんばかりなのだ。

 ここはそういう学校だって私もそれをわかった上でこの青丘中学校に進学したんだけど、想像以上の進行速度に今の時点でついてはいけない。

「絵里香ちゃん、次の授業体育だっけ?」

「そうそう。プールが壊れていて、水泳ないのが救いだよねー……」

 確か今日の体育は体育館で、バレーボールだったはずだ。

 青丘中学校にはちゃんとプールはあるんだけど、今は壊れていて使えない。私立だからお金あるしすぐに直るのかなと思ったら、そういう訳でもないらしい。

 けど、正直炎天下の中でプールで水泳するってあまり好きでもないし、別に壊れたままで全然良いんだけど……。