「絵里香ちゃーん!」

「美波ちゃん!」

 手を振って迎えてくれた絵里香ちゃんは、今日は爽やかな青いブラウスに紺色のハーフパンツを合わせていて、すごく爽やかな装いだった。

 私は白のワンピースだったので、二人とも爽やかをテーマにコーディネートしていると言えるかもしれない。

 なんて……私が心の中で、思って居るだけだけど。

「私の買い物に付き合ってもらって、ごめんね」

 絵里香ちゃんは両手を合わせて申し訳ないって風にしたので、私は首を横に振った。

「良いよ良いよ。気にしないで……っていうか、テスト勉強ばっかりで嫌になって来たし、気分転換になって良いよねー!」

 ここ最近、勉強勉強で私もいい加減嫌になって来てしまっていたのだ。受験勉強が終わっても、定期的に開催されるテストという難関。

 何か前世で悪いことをしたから、テスト地獄に私たちは居るのかもしれない。

 私たちは二階にある可愛い文具店に向かって歩き出した。私も可愛いメモ帳があったら買おうと思っている。

「……美波ちゃん。そういえば、さっき黒木くんに会ったよ」

「え!? 黒木くんに?」