全部で四人の男の子たちでわいわい言いながらご飯を食べて、終わったら近くにあるバスケットコートで、2on2で遊んでいるみたい。

 周囲の男子はぼやけて見えて、彼だけやけにくっきりと見える気がする好きな人の横顔を見ながら、私はお母さんの作ったサンドイッチを食べていた。

「はーあ……何かきっかけないかなぁ……」

 藤崎くんから私が話掛けられることは、一生ないと思う。

 だって、自分で言うのもなんだけど、私ってば全然目立つ方でもないし……他と比較して何か特筆すべき点があるかと言うと、性格的に明るくて元気いっぱいなことくらい。

 彼からは認識すらされていないのに、色々とすっ飛ばした上で勉強を教えて貰いたいなんて、そんな事言えるはずもなかった……。

「数学嫌い。数学なんて、滅びれば良いのに」

 さっき終わったばかりの数学の授業だけど、次の数学の授業の時間が既に憂鬱だった。

「青丘中学、私立の進学校だから、授業の進行早いし、美波ちゃんがそう思うのも無理もないよー。他にも付いていけていない子もきっと居るんじゃないかな」