続きをするのは当たり前だよねと言わんばかりに藤崎くんが発した言葉に、私の動きは止まってしまった。

「……え?」

「あれ? 聞いて無い? 俺の部活休みの間、放課後に勉強教えるように頼まれてる。さっきの……あの女の子から」

 えっ……絵里香ちゃーん!! なんという……友情に厚い優しい女、余計なことしてくれちゃって……本来なら絶対、嬉しいけど、嬉しいけどー!!!

 今日だけだと思っていたのに、本当にですか……。

 にこにこしてそう言った藤崎くんに、私は何も言えずに固まるしかなかった。


◇◆◇


「美波ちゃんっ……昨日の放課後、どうだった?」

 絵里香ちゃんは次の日の朝、登校してきたばかりの私に興奮して聞いて来た。

 喜びでまぼろしの尻尾が、ぶんぶん振れているように思う。

 ……きっと、私が喜ぶって思ってしてくれたことなんだから『いや、前世のことであんまり関わりたくないんだよね』なんて、言ってしまう訳にもいかず……。

「うっ……うん! 藤崎くん、思った通りに教え方も上手くて、優しかったよー」