「ここはここを、代入して……」

 さすがに学年トップの藤崎くんの教え方は控えめに言っても、とてもわかりやすい。

 実際問題、青丘中学は私立で進学校で授業の進みは、公立中学に比較してもかなり早いらしい。

 だから、選ばれし者しか入れない進学校とは言え、私以外にだって取り残されてしまっている子も居ると聞く。

 勉強を教えてくれるので、ひとつ机を挟んで藤崎くんは私の前の席を使い、振り返って座っていた。

 しかし、藤崎くんには前世の記憶があるのかというのがまず先に気になってしまい、いまいち飲み込めない。