私は藤崎くんと黒木くんしかわからなかったけれど、彼のこのいいようではまだ他にも前世からの知り合いが居るようだ。

「あの、私は間違いないって、どういうこと?」

 私が一番気になった点を聞けば、黒木くんは細い目をより細くして苦笑しながら応えた。

「顔がもう、あの殺されてしまったお姫様でしかないからです……」

 ……そうなんだ。

 私はお姫様自身の顔は見えていなかったけれど、黒木くんだって同じように、クラスメイトの外見が似ていると思ったということね。

「もしかして……私以外にも、前世を思い出している人が居るってこと?」

「何人か居ます。一人は僕と一緒で、完全に記憶を取り戻しています。他は少しずつ取り戻しているみたいで。猫塚さんみたいに、これまで全然思い出していない奴も居るます」

「それって、誰……?」

 黒木くんは首を横に振った。

「それは、言えないです。向こうだって、猫塚さんには知られたくないかもしれないので。僕はここで勝手なことしてって余計なことで恨まれたくないです」