これって、付いてこいって事だよね? 人気のない屋上ででも話し合うのかな……。

 私は上階に教室のある上級生たちが帰宅する流れに逆らいながら、ゆっくりと階段を上へと上がった。

 黒木くんの背中は私のことをあまり気にせず上がって行ってしまうから、私はそれに必死で付いて行くしかない。

 ここでこんな事を言うのもなんだけど、あんまりモテないと思う。気遣いのない男の子って結局モテないよね。

 そして、たどりついた屋上までの行き止まり、黒木くんはそこで待っていた。

 空気の入れ換えがあまり出来ていないのか、なんだか酸素薄くて息苦しいし、空気中にはきらきら光る埃が舞っていた。

「あの時……思い出したって言ったこと、あの夢の中の出来事って、やっぱり、私の前世か何かなの?」

 私がそう質問したら、黒木くんはためらうことなく頷いた。

「そうそう。僕もそれは最初は半信半疑だったけれど、学校には何人か前世から知っている人物が居るし……猫塚さんは、外見が絶対に間違いないから、そうだろうなって思っていました」