「うん。そうだね。ちょうど座れそうな段差あるし、良いんじゃないかな」

 絵里香ちゃんは頷いた。渡り廊下の終わりには、三段の階段がある。しかも、第二校舎には通常クラスの教室がある訳ではないので、昼休み終わりに移動教室がある生徒が通るくらいだ。

 私はお弁当を開いて、いつものように藤崎くんを見た。

 彼は三人の友人たちと楽しそうに話しながら、何かを探すように周囲を見渡している……どうしたんだろう。お弁当の中の卵焼きを食べながら、いつもとは違う様子を見せる藤崎くんを見て居た。

「美波ちゃん、階段から落ちても何もなくて良かったよね」

 絵里香ちゃんが昨日のことを聞こうとしてかそう言ったので、私は頷いた。

「そうだね。MRIっていう脳の状態が見られる大きな装置の中に入ったんだけど、動いたら駄目っていわれているし、大きな音聞こえるし……それで、私の脳を輪切りにした画像が見られるんだけど、全く異常なくてお医者さんも綺麗な脳だねえって言われちゃったの。綺麗な脳って何って感じだよね!?」