「ああ……五時間目終わったところだけど……猫塚さんは階段から落ちて、頭も打ったみたいなの。今は何もないかもしれないけど、学校の決まりで脳の検査に行かないといけないから立てる?」

 学校の決まりでそうしなければならないと言われているのなら、拒否出来るものでもないと思う。私は頷いて鞄を纏め先生の車に乗って大きな病院へと行くことになった。


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 念のためにとMRIを取って全く問題ないと医師から太鼓判を押された私は、次の日学校にいつも通り登校した。

「美波ちゃん! おはよう。大丈夫だった?」

 私が階段を落ちた時に一緒に居たはずの絵里香ちゃんは、自分の席からすぐに駆けつけ確認してくれた。

「うん。ごめんね。足滑らせて階段から落ちるなんて、恥ずかしい……あの時、私スカート大丈夫だった?」

 私は周囲を確認して、小声で絵里香ちゃんに聞いた。

 身体には目立った異常がないし、乙女心として気になるところはそこだった。他の誰かからは違うかもしれないけど、スカートめくれてパンツが見えていたのかいなかったのか、私本人としてはすっごく大問題だし。