大会手前でもうすぐ引退する先輩たちのことを考えて、後輩たちの写真を使って騒ぎになることは避けたいって……そういう気持ちも理解することが出来た。

 だから、私も鷹羽くんと話してみたくなった。行高も良い人だと思うけど、なんだか話すことも緊張してしまって、胸がドキドキしてしまうのは、鷹羽くんなのだ。

「あんな風に不安なままに放ったらかしにして、ひどい奴なのに……もしかして、好きなのか?」

「……私は別に、私を一番に優先して欲しいだなんて、言えない。そうして欲しい女の子なら、行高の方が好きだと思う。けど、鷹羽くんは部活の先輩後輩の気持ちを考えて、自分の気持ちを抑えたんだよ」

 私だって、行高の言わんとしている事はわかる。自分から告白しておいて、何を言わないままで不安にさせて、なのに今更何を言ってるんだよって、それって皆思ってしまうと思う。

 けど、これまでに謎に包まれていた鷹羽くん側の事情とか、彼の気持ちとか……そういう事を知って、私は鷹羽くんが気になってしまった。