今日は何の収穫もなさそうかもしれない。なんだか、昨日の勢いのままでここまで来て、少し馬鹿みたいだ。

 私は振り返って帰ろうと歩き出そうとして、誰かにぶつかってしまった。

「いって……お姉さん。あー。めっちゃ痛いんですけど、慰謝料貰えます?」

 あまり柄が良くなさそうな三人の内の一人が私を見下ろしてにやっと笑う。

 いけない。不良に絡まれてしまうなんて、思ってもいなかった。

「……ごめんなさいっ」

「いやいや……こっちがお金で解決するって言ってるんだから、出せよ。な?」

 三人に囲まれて、ぎゅっと腕を取られた。

 ……どうしよう!? 店員さんに助け手貰おうとするものの大声を出そうとするものの、咄嗟に声が出ない。