鷹羽くんの視界に入りそうな気がしたから。ちょうど路地があったので傍の電柱から二人を見る。

 きっと後ろから帰っている人から見たら完全に不審者だけど、幸いっていうのもおかしいけど、鷹羽くんは元々学校でとっても人気者だから、そういう関係の人だときっと思ってくれているだろう。

 彼らの向かう方向だと、駅前の大きなショッピングモールに行くことになりそう。

 私は帰る時間を計算しながら動いた。昨日も遅くなってしまったから、親に良い顔はされないだろうからだ。

 二人は二階のゲームセンターに向かっているみたい。プリクラでも撮るのかもしれない。

 夕凪さんの隣でフレームに大きな体に窮屈そうに収まる鷹羽くんのことを思うと、後輩二人のために言いなりになっている彼の気持ちを思ってやっぱり胸が痛んだ。

 私は二人がプリクラの待ち列に並ぶのを見て、ほっと息をついた。

 待っている女の子が鷹羽くんを見て、顔を赤くしてさざめくのを見てやっぱり不思議な気持ちになる。

 あんな素敵な人が、なんで私のことを好きなんだろうか。

 いわゆるより取り見取りで、どんな可愛い子でも選べそうな人なのになんで。