ふーんとつぶやくと、もう一回ペットボトルの大きくお茶を飲むと、私をじっと見つめた。

「俺は澪のこと。好きだ」

 私は頭が真っ白になって彼の顔を間抜けに見つめるしか出来ない。

「……寧々がこの話を俺に持って来たのは偶然じゃなくて、俺も澪のこと気になってたんだ。それで近づけるチャンスだと思って受けた。でも、あいつのことまだ好きなのかわからないと今思っているなら俺のことも候補に入れて欲しい」

 それは多分少しの時間だったと思うけれど、私の頭は回転を止めて行高の情報が上書きされた。

 自分自身、思いもしなかったアップデートだ。

 昨日、可愛いと思ってたって言われたけれど、それが好きっていう感情だとは思わなかった。数日前からの怒涛の恋愛関係の展開に、もう私の平凡な脳がついていけない。

「あの……」

「うん」

「全然、そんなことなんだと思ってなくて」

 そうだよ。紹介してくれた寧々ちゃんだって、こういう情報を言ってくれていない。ううん。それは言えないよね。普通は本人からでないと言ってはいけないことだと思うし……。

「うん」