私は唐揚げを口に含んで首を傾げた。行高は焼きそばパンの残りを大きな口に放り込むと、不満そうに口をとがらせた。

「言っておくけど、どの時間を有意義か決めるのは俺本人なの。澪と一緒に居て良いんだったら居るし」

「……本当に付き合いたい子が出来たら、どうするの?」

「それは、そん時考える。どうも余計なご心配ありがとう」

 そう言ってペットボトルのお茶でパンを流し込むと、行高は空を見上げた。私もつられて見上げる。

 そろそろ日差しが強くなってきて、あともう少し季節が過ぎれば屋上ではもうお弁当を食べられないかもしれないな、なんて思った。

「……鷹羽と付き合うの」

「ううん」

「なんで。女子って、ああいう奴好きだろ」

 私はそっぽ向いて言う行高の横顔を見た。

 整った可愛い顔だ。きっとこれからもっともっと格好良くなるんだろうなあなんて、思ったりした。

「まだ……わからなくて」

「何が?」

 私の顔を見て不思議そうに言った。長めの前髪の下の大きな目が茶色がかっている。

「鷹羽くんのこと、好きなのか、良くわからない」