「鷹羽くん、仕方ないよ。私だっていきなりそんなことになれば、向こうの言うことを聞いてしまうと思う……お願いだから行高は黙っていてくれる? ただ居るだけならって言ったけど、これは流石に言い過ぎだから」

「澪……」

 ぴしゃりといった私の言葉に行高は反省をしたのか黙り込んだ。

「ね。鷹羽くん。これからは私も協力するから、その写真の件、なんとかならないかな?」

「……え?」

 鷹羽くんは言われた言葉が理解できないというようにして、パッと顔を上げる。

「夕凪さんは、鷹羽くんを後輩の写真で脅しているよね? 鷹羽くんは県大会は終わるまでは我慢していたかもしれないけど、次の弱みを握られたらまた言うことを聞くことになるよ? だから、写真をばらまかれる前に偽物だと証明してしまうか……それか、夕凪さんの弱みを握って脅し返すとか。」

「有馬?」

 鷹羽くんは言われたことが理解できない、というように口をぱくぱくさせた。

 そうだよね。私って見た目だけなら、クラスでもそういうこと言いそうにないタイプなのかも。でも、それはあくまで向こうが持っているイメージだ。