「その後輩二人は……なんて?」

 当の本人たちが違うと言ってしまえばそれまでなのかもしれない。けれど、一度そういう写真がばらまかれてしまえば、一度でも疑われたという過去と、そういう写真があるというデジタルタトゥーになってしまう。

 鷹羽くんは大きく息をついて、首を振った。

「まだ、何も話せていない。話も話だから、スマホのメッセージに残ってしまうのもためらわれて。後、知っての通り、休み時間なんかは夕凪さんに監視されている。だから、今日の部活終わり捕まえるつもりだったんだけど……」

「あ、私が待っていたから……」

 私が話したいと待っていたから、その当事者の二人と話せなかったのかもしれない。

「……違う! それは嬉しかった……んだけど、まあ、そういう訳でまだ確認も出来ていない状態なんだ」

 否定する意見で首を横に振り、最後に照れるようにして話を終わらせると、鷹羽くんはため息をついた。

「僕もあの後輩たちが本当にそれをしたのなら、罰は受けるべきだとは思う。ほんの出来心だとしても、やったことは事実だ。けど、今年が最後になる先輩たちの今までの頑張りや、これまで積み重ねてきたことを僕の勝手で無にしてしまって良いのかっていう葛藤もあったんだ」

 鷹羽くんの机の上の手が、ぎゅっと強く握られる。

 それは、そうだろう。三年生は次の大会で引退だし、その後は受験漬けの日々が始まる。鷹羽くんの葛藤はもっともなことだと思えた。

「……そんなこと関係あるのかよ」