「写真は……正直言うと、良くわからなかった。言われればそう見えるし、僕には知識がなくてわかりづらいけど合成なのかもしれない。微妙なラインにある写真だ。けど、夕凪さんは僕にそれをばら撒かれたくなかったら、自分の言う事を聞くように言って来た。あの二人が違うと言ったとしても、ばらまかれた時点で色んな人に疑われてしまう。僕のせいでそんな目に遭わせる訳にはいかないと思った」

「なんだよ! それ!」

 後輩を大事に思う彼の気持ちを盾に取った卑劣な行為だ。酷い。我慢出来なくなったのか、行高は立ち上がって言った。

 私だって同じ気持ちだ。完全に後輩を想う気持ちを利用されて脅されている。

 夕凪さんはそんな酷い行為でで鷹羽くんに言う事を聞かせて、それで満足なのだろうか?

「……バスケ部の先輩たちは可愛がっているし、部の仲間は今回の県大会はすごく力を入れているんだ……せめて大会が終わるまではと、脅された瞬間に思ってしまった。疑惑だけだとしても、それを晴らすまでに時間がかかってしまう。それと、あの二人にも確かめたかったのもある。合成されただけだったり、他人の空似という可能性もあるからね」