「……今から話すことは、出来れば、誰にも言わないで欲しい。けど、もし君達から漏れたらそれは話すと決めた僕の責任だし、君たちを責めることはないと誓うよ」

「たかばくん……?」

 何か深刻そうな事情を聞くことになりそうだと、私は自然に隣に居る行高を見た。彼も首を傾げて仏頂面だけど思案顔だ。

「聞きたくなかったと言うかもしれないけど……僕もこのまま黙っているのは、耐えられそうもないから。今言っておくことにするよ」

 彼は真摯な表情で私を見つめて、ゆっくりと話し出した。

「告白してからすぐに、有馬と一緒に帰ろうとしていた時、夕凪さんが僕に声を掛けて来た。そこまでは有馬も知っていると思うんだけど……」

「うん」

「実はあの時、僕は彼女から一枚の写真を見せられた」

「写真?」

「バスケ部の後輩の一年生二人が、煙草を吸っているだろう写真だった」

「……え?」

 私は絶句した。二十歳以下の煙草と飲酒は違法行為。もし、そんなことが公になってしまったら、大変なことになる。

 その二人は退学かもしくは停学、そして所属しているバスケ部もただでは済まないだろう。