「うん。大丈夫。この後、何もないし」

「俺も、大丈夫」

「お腹すいてると思うし、いっぱい食べられるところが良いよね?」

 私は脳内で通学路の地図をシュミレートしていた。運動部帰りの二人が満足するような、量が出てくるお店あったのかな……。

「澪、今日歩いて来た時、見たんだけど」

 と、行高が一本外れた道にある有名ファストフード店を提案して、とりあえず三人でそこへと移動することにした。

「お腹すいた」

 何故か当たり前のように私の隣に座った行高は思ったままの言葉をそのまま出してるんだろうなって風情で、トレイに載った何個かのハンバーガーの一つにかぶりついた。

「いただきます」

 目の前の席の鷹羽くんは礼儀正しく挨拶をすると、綺麗な所作で食べ始める。全くがっついている様子はないのにするすると無くなってしまう事が不思議だ。

 私は二人の食べっぷりを見て居るだけで、なんだかお腹いっぱいになってきてしまった。ハンバーガーを半分食べてコーヒーを飲みつつ、二人が食べ終わるのを待つ。

「澪、食べないの? 俺貰って良い?」