私がここに来るなんて思って居なかったのか、すごく驚いているみたいで、綺麗な透き通る目は瞬きもしない。

「うん、あの……少し話せるかな? 部活終わるまで待ってるから」

「……あと三十分くらい待てる? 後、片付けと着替えしてくるから、なるべく急いで来るから明るいところに居て」

 慌てて周りの男の子達に声掛けしながら体育館に戻っていく。途中、冷やかされたりしてたみたいだから、ちょっと悪いことしちゃったかも。

 けど、これで……やっとゆっくり話せるかな。

20 横入りの人?
「お待たせ、有馬っ」

 その後、しばらくして、部活終わりに着替えた鷹羽くんが走って現れた。

 クラブ棟のシャワーを浴びたのか、彼からは清潔な石鹸の匂いがする。

 私を待たせていたから、慌てて来たのか髪の毛は濡れたまんまでしっとりしてる。

 つんつんしてたのは当たり前だけど、今はあっちこっち向いていない。整えていないそういう姿も魅力的で神様は不公平だと思った。

「ごめんね。少し、話したいなって思って」