放課後、見回りの先生が回ってきたみたいだ。

 私は慌てて立ち上がると、先生の脇をすり抜けながら言った。

「友達を待ってました。もう帰ります!」

 先生から逃げ出して、慌ててバタバタと廊下を走っていく。あたりは薄暗くなってきていて、グラウンドや体育館には電灯が灯されていて明るい。

 そろそろ、バスケ部の練習は終わる時間かなぁ?

 運動部だったこともないし、帰宅部だから、こんな時間まで残ったことないからわからないけど。

 私は体育館の近くの階段に腰掛けた。

 体育館から、ざわざわと誰か出入りする気配がする。

 もしかしたらどこかの部が休憩に入ったのかもしれない。バスケ部なのかもしれない。

 鷹羽くん居るかもと思い、声の聞こえたあたりに目を凝らす。

 背の高い男の子達が、水を掛け合ったり笑いあったりしてる。体格からしてバスケ部かバレー部かもしれない。私は立ち上がってゆっくり近づいた。

「有馬?」

 私は一番近くに居た、Tシャツの胸の辺りを持っている汗びっしょりの鷹羽くんを見つけた。

 流石に部活中は、あの眼鏡は外しているみたいだ。