それって私が聞いてしまっても良いのかな?

 行高とこのまま付き合ってしまうにしても、やっぱり鷹羽くんのことは残り続けると思う。じゃあ、私のすべきことって……。


◇◆◇


「澪……帰る?」

 放課後、寧々ちゃんが私に遠慮がちに聞いて来た。

「ううん。私ちょっと用事あるから残るね」

 私の言葉に意外そうに寧々ちゃんは首を傾げた。

「そうなの? ……大丈夫?」

「うん。寧々ちゃん、ありがとう。また夜に電話すると思う。聞いてくれる?」

 私の言葉ににこっと微笑むと、手を振ってドアへと向かって行った。

 大きなバッグを持って慌ただしく出ていく運動部の人達を眺めながら、鷹羽くんと話すためにバスケ部の練習終わる時間までどうやって時間を潰そうかな、なんて考えながら、自分も通学バッグを手に取った。

 考え事をしながらぼんやりとスマホを触ったり音楽を聞いたりしていたら、時間が過ぎるのが早かった。

 それも彼に真相を聞きたいような聞きたくないような、自分でも説明のつかない不思議な気分だったせいなのかもしれない。

「有馬? どうした?」