「そういうのは、私に全部任せなさいっ。鷹羽くんほどじゃないけど、人気ある男子紹介するから」

「……寧々ちゃん」

 興奮が最高潮になった寧々ちゃんは、言い出すと私の言うことなんて聞かない。これは出会った最初の頃から、ずっとそうなのだ。

「そういうことにしよ! 明日、澪の家に迎えに行かせるから」

「え? 嘘でしょ……寧々ちゃん?」

「心配しないで、ちゃんとした子だから。若干愛想は悪いかもしれないけど、顔は多分合格点よ」

 アイドル好きで面食いの寧々ちゃんが、いわゆるそこら辺の男子高校生に合格点を出すなんてとても珍しい。

「寧々ちゃん……私やっぱり……」

 こういう流れで、誰かと付き合ったりしたくない。という言葉を遮って、寧々ちゃんは言った。

「ダメダメ。澪はすぐに日和るんだから。鷹羽くんと夕凪のことだって、そのままにしてたら、きっとこの先ずっと後悔するよ。一生の後悔より一時の頑張りだよ! ……でも、澪がもう真相も知りたくないし、鷹羽くんのことももう良いって言うんだったらもう何も言わない。どうする?」

 私は長電話にそろそろ熱くなってきたスマホを握り締めて、どういうべきかしばし悩んだ。