私の疑問は、スマホの向こう側に居る寧々ちゃんにもきっとわからない。

 でも、どうしても嫌な思いを吐き出したくて言ってしまった。

「……ねえ! こんなの言ってても、仕方ないよね? 事情があるにしても、真剣に付き合い始めたにしても、夕凪や鷹羽くんに突撃しても、無駄だと思う……そうだ! あの二人に対抗して、澪だって彼氏作っちゃえば?」

「え? ……何言ってるの、寧々ちゃん。意味わかんないんだけど」

 私は彼女の言葉に対する、素直な気持ちを言ってしまった。対抗してどうこうするほど、傷ついている訳でもない。

 ただ、訳がわからなくて、すごくモヤモヤするだけ。

「鷹羽くんに、やきもち妬かせるんだよ。そんな澪を見て我慢出来なくなって、言えなかった真相明かしたりしないかな?」

「……寧々ちゃん。こんな私が、彼氏なんかどうやって作るのよ? 今まで生まれてこの方、一回も居たこともなかったんだよ?」

 私は眉を寄せながら、そう言った。鷹羽くんに告白されたのは本当に奇跡だと言い切れるくらい、生まれてからここまで私はモテた試しはない。