「鷹羽くん! ……少し、用事あるんだけど」

 私と鷹羽くんが連れ立って教室を出かけた時、隣のクラスの女の子が声を掛けて来た。

 彼女は学年でも男子に人気の可愛い子だ。確か、C組の夕凪さんって言ったと思う……鷹羽くんの大きな体の斜め後ろに居る私のことを認識したのか、こっちをなぜか睨んで来た。

「ごめん。俺、今日はもう帰るから。何か話があるのなら、明日にしてくれる?」

「五分だけなんだけど……ダメ?」