「おはよう。有馬」

「……おはようっ」

 校舎について眠い目を擦りながら、教室に向かっていると、鷹羽くんに後ろから声をかけられて私はビクッと体を震わせた。

「え? 何かあった?」

 鷹羽くんは過剰な反応をした私に驚いているようだった。私もそこまでになるなんて、思ってもみなかった。

「なっ……何もないよっ」

 うまく喋れなくて、鷹羽くんのことを、好きになっているんだとそう思った。

「そう? ごめん。授業始まる前に、少し話せる?」

 鷹羽くんは時計を確認して、私に言った。つられて私も時計を見れば、全然余裕ある時間。私も彼と話したいと思っていたので、渡りに船だった。

「あ……うん!」

「ごめん。告白してから、全然うまくいかなくて……俺のせいなんだけど」

 鷹羽くんは一度後者を出ようと指で示したので、私もそれに頷いた。ひと目につかない校舎裏に行くんだと思う。

「鷹羽くんのせい、なんかじゃ……ないよ」