「それって、寧々ちゃんの感想ですよね?」

 最後、茶かして言った事がわかったので、私もそれに乗った。

「そうそう。ねねかんだよ! けど……そうだと思う。鷹羽って多分、顔の良い女子から好かれるの慣れているし、違うところを見るようになったのかもね……なんだか、謎が解けた。ゆっきーもそうだと思うよ」

 名前を聞いて、胸が痛んだ。辛そうな顔を見てしまっていたから。

 私のことを好きだと言ってくれたのは嬉しかったけど、私だって半分になる訳にはいかないし、鷹羽くんを好きっていうなら、行高のことは切るべきなんだと思う。

「うん……どうなのかな。鷹羽くんが私を好きな理由って何なんだろう」

「好きになったら教えてくれるんでしょう? 明日聞いてみたら?」

 私は壁掛け時計を見た。寧々ちゃんと話をしていたら、割と良い時間になっていた。

 番号を知っているけれど鷹羽くんに電話を掛ける時間ではなさそう。お母さんにも怒られるし……。

「そうだね。なんて、言ってくれるんだろう……」

 寧々ちゃんは苦笑して、おやすみって言って電話を切った。

 私はその夜、なかなか寝付けなかった。

 鷹羽くんのこと、やっぱり好きなんだと思う。誰が何を言っても、多分聞けないくらい。