「夕凪さんだって、ここまでするくらい……鷹羽くんのことが好きなんだと思う。ここで彼女をいけないって責めても、嫌な気持ちが膨らむだけで解決にはならないと思う。だから、彼女の気持ちを考えながら、解決することって出来ないのかなって思う」

 私は出来るなら、そうしたいって思うし……別に夕凪さんのこと、全校生徒の前で断罪したい訳でもない。

 寧々ちゃんは何かを考えているのか、数分間、無言のままだった。

「……私ね。実は鷹羽くんがどうして澪のこと好きなのか、よくわからなかった。私は仲が良いし、よく話しもするし、良いところたくさん知っているけれど、鷹羽ってすごく目立つし、いろんな子と付き合えるから、何か決め手になったのかわからなかった」

「うん……」

 私もそう思う。だって、私って誰がどう見ても、学校を舞台にするとただのモブだし。

「けど、今わかった。鷹羽は澪のそういうところも知っているんだと思う。ちゃんと皆のこと考えて、あんなに嫌なことした夕凪のことだってどうにかならないかなって考えているし、この先のことだって見えている。あいつは澪のそういうところも好きなんだと思う……多分、だけど」