あぁ……ガラスが邪魔に思う。

泣いてる君を抱き締めてあげられないなんて、すごく悲しい。

触れたいのに、手を伸ばせば届く距離に居るのに、ガラスが私たちを邪魔するから……。

「手紙の返事、本当は書いてたんだ。でも、書いては消してを繰り返して、破った。なんか、どうしても、お前を傷付けた事とか、すげぇ許せなくて。嫌われたらって怖くて……本当に、ごめん」

2人は泣いていた。
面会時間には限りがあるのに、涙のせいでうまく話せない。

ねぇ、またあの夏みたいに、一緒に幸せに過ごせるよね?

「戻れるなら、戻りたい。あの夏に。レイナは?」

「うん、私も、ずっと思ってた。あの夏が1番幸せだったから。戻りたいよ」

「戻れるなら、なんだってするのにな……。俺、後先考えずに感情的になったらもう、自分を制御出来ないから……。そんなのは言い訳でしかないけど、こうなるって分かってたら、頑張って制御したのに……」