暑い夏を乗り切ろうとして、君はかき氷機を買ってきてくれたよね。覚えてる?

その日から毎晩イチゴのシロップをかけて、一緒に食べたね。

時には早食い競争をして、2人して頭がキーンってなって、「ゆっくり食べるか」って、早食いをやめて、練乳かけて「美味しいね」って、毎日が幸せだったよ。

君が居た夏は、本当に幸せだった。

運を全て使い切ったんじゃないかってくらい、本当にあの夏が人生で1番幸せだったの。

戻りたいよ、本当に。

戻らせてよ、あの夏に。

その年の冬、君は殺人罪で逮捕された。
酔っ払いと喧嘩になって、相手を殺してしまったんだ。

君は学生の頃から問題の多い人だった。だからなのか、周りは君の言葉に耳を傾けず、君に殺された酔っ払いは真面目なサラリーマンだったからって、誰もがそのサラリーマンに同情をした。そして、君は周りから冷たい言葉を浴びた。