蒼side









やばい…めっちゃ美味かった…あのカレー…


あの沙耶香が料理上手かったなんて初耳だし…


まじ沙耶香の料理なら無限に食える……





「蒼ー?先にお風呂入っちゃっていいー?」


「えっ、あっあぁいいよ」



「ありがとん。じゃあ入ってきマース」









沙耶香の…お風呂……




いや!変なことなんか考えるな!!!






そうだ、部屋に行ってよう…


っていうか待って。俺の部屋ってどこなんだろ。





沙耶香がお風呂上がるの待つしかないかぁ









チクタク…チクタク…チクタク…





「遅い……」





もしかして何かあったのか??

倒れたとか!?

でも風呂に行って、

「へんたい!!!!!!!」とか言われたら
シャレになんねぇしな…












ガラガラッ







「上がったよーーー」


「おい!遅すぎんだよ!」



よかった…倒れてなかった…

「えっそう?私いつもお風呂は大体1時間くらい入るよ??」



「まじかよ」






っていうかそんなことより…



長風呂で少しのぼせて赤くなった頬、
ドライヤーせずに濡れたままの黒い髪の毛、
しかもパジャマのボタンが空いてる…


ヤバすぎんだろ

あぁー早く入ろ。じゃないとやべぇ







「じゃ、俺風呂行くから」




そう言ってダッシュで風呂場へ向かった



もう!初日からこんなんで俺1ヶ月もやってけんのかよ!






ジャーーーー


シャンプーシャンプーっと、



シュッシュッ…


ん?出ねぇな。


これもう無くなってんじゃねぇか





はぁ

沙耶香よぶか





ポチッ





ーピコンピコンピコンー

ーお風呂で呼んでいますー
ーお風呂で呼んでいますー







ガラガラッ





「蒼ー?どうしたのーー??」






「あぁ…実は…」










































沙耶香side












ーピコンピコンピコンー

ーお風呂で呼んでいますー
ーお風呂で呼んでいますー






ん?どうしたんだろう






ガラガラッ





「蒼ー?どうしたのー?」





「あぁ実は……」


そう言われながらお風呂の扉が開いた






ガラッ














っ!!!




やばっ、蒼って着痩せするタイプなんだ…



超筋肉着いてるんだけど…









…不覚にも…かっこいいと思ってしまった……








「シャンプー無くなったから新しいのくれるか?」



「…」




「おい!!」






「へっ???あ、ごめんごめん。シャンプーだね、

ちょっと待ってね」






ガサガサ





「は、はいっ」






頑張って視線を逸らして体を見ないようにしながらシャンプーを渡す。




「サンキュ。」





フゥッ




重大任務達成っと




部屋に戻ろーっと








「あ」





自分の部屋に戻ってから気がついた。






蒼の荷物リビングに置きっぱなしで、
まだ部屋に案内してないじゃん。



忘れてた。すっかり忘れてた。





とりあえず先に荷物だけ蒼の部屋に運んどくか。






蒼の荷物を持って、亡くなった兄が使っていた部屋に入る。


「フゥッ」




そして、部屋をぐるりと見回した。





「はぁ。」







ガラガラッ










下からおとがした!

蒼が上がってきたんだ!!



ダダダダッと階段をかけおり、蒼のもとへ向かう。




「蒼ー荷物へやに………」





まって上裸なんだけど




「ちょ、ちょっと!!!
なんで上の服着てないのよ!!」





「え?あぁ暑くて」





「早く着て!!!!」



目を隠しながら叫ぶ





「なんで目隠してんの」




「な、なんでってそりゃ…」




「なに?恥ずかしいの??」






「なわけないでしょうが!!!
いいから早く来なさいよぉー!!」



ボンッ!!






あ、近くにあったティッシュ箱投げたんだけど、

見事に顔面に命中しちゃった…





「いってぇなぁ!!!おい!!何しやがんだ!!」



「あ、蒼が早く服着ないからでしょ!!!」




「んだよったくー。」




やっと服を着てくれた…







「蒼ー!蒼の荷物蒼が使う部屋に置いといたからねー」





「あぁサンキュ。それより俺の部屋ってどこだ?」




「私の部屋の向かいの部屋だよ。」



「りょーかーい」






「じゃあ私そろそろ寝るから!おやすみ!!」



「もう寝んのかよ。早すぎだろ。小学生か」



「なによ!早寝早起きは基本よ!!
あんたも夜更かしせずにさっさと寝なさいよ!」




「じゃあね!おやすみ!」




ダダダダッ


バタン!!




乱暴に閉めた扉の音が思いのほか家に響いた。




「フゥ」


なんだか今日は色々あって疲れたな…



寝よっ







部屋に行って早々と寝た私は知らなかった。





下のリビングで蒼が、

「向かいの部屋か…すぐに行けるな……

まあこれから1ヶ月。まだまだ同居は続くんだ。

いつでも行ける……」


と、ニヤニヤしながら呟いたことを。