蒼side





「蒼ー!急げ!購買いくぞ!俺の命のカレーパンが売り切れちまう!!!!」


「あっ!おい待てよ!!涼!俺もあんパン食いてえんだよ!!」






数学の時、プリントを見せて沙耶香から





「ありがとね」

っと言われた時……




まじで…なんつーか……うん……やばかった…






けど結局あの後また言い合いしちまって

2回目の雷を落とされている沙耶香を見てる時は思ったよ。



なんで俺らはこんなに毎日毎日口喧嘩ばっかりなんだろう…



どうしたらあいつはおれを意識してくれるんだろう









そんなことを考えながら走り、


購買に到着したが、まだ安心してはいけない…




購買は一瞬で売り切れちまうから

4限目の終わりのチャイムと同時にダッシュで行かないと、直ぐに売り切れちまう!


特に人気のカレーパンとあんパンは!









「っしゃーーーーっ!!!セーフ!!」








「……良かったな…」



「あーお前は命のあんパン無かったのかーー
ま、どんまいだな!」


「るせーー!」


仕方ないあんパンは、諦めるか…

メロンパンとソーセージパン…だけじゃ
たりねーよなー、


後は…クロワッサンでいっか。








教室でパンを食べていると、なんだか妙に前の席から
視線を感じる…






「なんなんだよ!さっきから!」


「んー?そのクロワッサン、美味しそーだなーー
って思って!」



ニッコニコの笑顔を貼り付けて

クロワッサンをくれ、の圧をかけやがる……




「…」


「いいないいなーー私お弁当で少ないから
1口くらいくれないかなーー」



「はぁ…」

っていうかこのクロワッサン食いかけだぞ。

関節キス…







「いいよ。やる」


「やったああー!!ありがとう!!さすが蒼ー!」






パクっ


「んー!!実に美味ですなぁー!」







はぁ……やっぱりそうだよな。

こいつが関節キスなんか…気にするわけないよな。

どうせ俺のことをただの…幼なじみとしか
思ってないこいつには…






「いいよ、ひとくちじゃなくて全部やるよ」



「えっ!?ほんとに!?ありがとー!!」






…でも、こんな風な無邪気な沙耶香が…俺は…