「んっ…」

私が目を開けるとそこは見慣れた場所だった。

そう、ここはスパイのためのアジトだ。

私の大嫌いな場所。

「起きたか」

声が聞こえた方を向く。

そこにはボスがいた。

「ボ、ボス…」

「学校楽しかったか?」

それは、一見優しそうに笑っている。

───がそんなことは無い。

この笑顔はやばいときだ。

私が何も言えずにいるとボスはそのまま言葉を続けた。

「お前が幸せになれると思ったか?」

そうだ。私は人を殺したんだ。

そんな私は幸せになる資格なんてない。

「少しでも感情が戻ったか?
あのまま幸せになれるとでも思ったか?」

・・・
「そんな美月にお仕置だよ」